食べ物と健康
ヨーグルトや乳飲料などに入っていて、「おなかの調子を整える」機能を持つ微生物といえば、乳酸菌、ビフィズス菌などがすぐに思い浮かぶと思います。ではその違いはご存知ですか?
実は、ビフィズス菌は乳酸菌の一種なのですが、性質が異なります。ビフィズス菌と乳酸菌の特徴をまとめると表のようになります。
このように、菌の形、棲息場所、酸素に対する性質および主な代謝産物などが大きく異なっています。これらの菌が入った食品を食べると腸内はどのように変化するでしょうか。
消化管内には食べ物と一緒に口から入った空気(酸素)が流れていきます。そこで、酸素があっても生育できる乳酸菌はまだ酸素が残っている小腸下部に定着します。一方、酸素があると生育できないビフィズス菌は、ほとんど酸素がなくなる大腸に定着します。小腸に定着した乳酸菌はせっせと乳酸を産生し、その乳酸は大腸に流れていきます。すると大腸内のpHが低下して悪玉菌(大腸菌やウェルシュ菌)が減少し、逆にビフィズス菌はpHが低い方が生育しやすいのでどんどん増殖します。そして乳酸と酢酸を産生します。この酢酸には強い殺菌力があり、悪玉菌の繁殖をさらに抑制します。
このように、乳酸菌とビフィズス菌は協力して腸内を健康に保ってくれますので、両方摂取すると相乗効果が期待できるかもしれません。
特にビフィズス菌は加齢とともに著しく減少してしまうことが分かっています。積極的にお腹の中のビフィズス菌を増やして、健康を保ちましょう!