管理栄養学部

なるほど豆知識ソーシャルサポートのポイント

2022年1月15日、南太平洋国トンガ近海で100年に一度ともいわれる海底火山の大噴火がありました。

私は1999年4月から2001年4月まで、青年海外協力隊栄養士隊員として、トンガ首相府中央計画局で活動していました。

2004年にはトンガ水産省職員だった人と結婚しました。今回の災害は、まだ十分な情報が得られず、不安ばかりが募ります。

オーストラリア、ニュージーランドの支援がいち早く動き始めました。日本もオーストラリア経由で支援を始めようとしています。

食生態学を基礎とする栄養教育の実践という視点から、今後の支援の在り方について考えてみたいと思います。

栄養教育論において、「ソーシャルサポート」について学びますが、この理論を用いて考えてみましょう。

まず、ソーシャルサポートには、以下のような種類があります。

情緒的サポート

 ①狭義の情緒的サポート(相手を情緒的、精神的に支えること)

 ②評価的サポート(適切な評価を与えたり、肯定的なフォードバックをすること)

手段的サポート

 ③道具的サポート(「直接的、実際的」に手助けをすること)

 ④情報的サポート(必要な情報や知識を与えたり、アドバイスをしたりすること)

そして、これらをいつ、誰が行うのかを考えます。

緊急支援として、トンガ国外、特に近隣の国からの③が必要であると考えられます。また、通信が復旧したら、世界中からの①も大切かと思います。

落ち着いてきたら、中長期的支援として、国際協力の専門家が②や③を行い、トンガとトンガの人々の自立を支えていかなければいけないと思います。その場合、食生態学が目指す、(SDGsにも通じる)人々の生活の質(QOL)と環境の質(QOE)のよりよい持続可能な共生に向かっているのかどうかを常に確認しながら、支援していくことが大切だと思います。

もっと知りたい方は、足立己幸名古屋学芸大学名誉教授の記事もご覧ください。

https://adachi-miyuki.com/archives/1174

食生態学研究室 安達内美子