食べ物と健康
前回は、COPDにり患すると栄養状態が悪くなるお話しをしました。そのため、食事が重要になりますが、食べるのも苦労する病気です。
エネルギー摂取量を増やしたいけど、食べられない・・・どうしたら、よいのでしょうか?
簡単にできる方法は、脂質の摂取量を増やすことです。脂質が分解されることでできるエネルギー量は、糖質やたんぱく質と比べて倍以上になります。
糖質(kcal/g) | たんぱく質(kcal/g) | 脂質(kcal/g) |
4.12 | 4.32 | 9.46 |
表:1g当たりの熱産生量
よって、脂質の摂取量を増やすと、エネルギー摂取量を簡単に増やすことができます。
もう一つ、脂質の摂取量を増やすとよい点があります。
エネルギー源となる糖質、脂質、たんぱく質は体内で燃焼してエネルギーを作り出します。燃焼する際は、酸素を使用し二酸化炭素が産生されます。この比を呼吸商(RQ)といい、二酸化炭素排泄量(CO2)/ 酸素消費量(O2)で求めます。
COPDの患者さんは、息を吐きだすことが難しいといわれており、できる二酸化炭素の量が少ないほう、つまりRQが小さいほうが、呼吸が楽になります。よって、糖質より脂質の摂取量を増やしたほうが楽になると考えられています。
とはいえ、糖質もたんぱく質も大事な栄養素です。どのようなバランスで食べたらよいかは、必ず管理栄養士や医師といった専門家の指導を受けて行うことが大切です。
脂質の摂取量を増やすためには、どのような献立にしたらよいかは、次回にお伝えしたいと思います。