管理栄養学部

なるほど豆知識COPDと栄養の関係

8月18日の五十里先生のレクチャーでCOPDの話がありました。生活習慣病に追加された疾患ですが、栄養とあまり関係がないと思われがちです。ですが、いえいえ、そんなことはありません。

COPDの主な症状として、慢性的な咳や痰が出る、体を動かすことで呼吸が苦しくなる等があります。症状が進めば、部屋を移動する、食べる動作をする、これだけでも息苦しくなってしまいます。よって、食べることが難しくなってしまいます。

しかし、呼吸をするための活動が増えるので、使うエネルギー量(エネルギー消費量)が増えます。さらに、近年の研究結果から、炎症作用は肺のみではなく、全身にわたることがわかっており、全身のエネルギー消費量が増えます。食事ができなくなることによるエネルギー摂取量の減少、さらにエネルギー消費量の増加というアンバランスが原因で、どんどん体重が落ちてしまいます。体重が落ちると筋肉量も減るので、動くことが困難になり、食べる量も更に減り・・・という悪循環に陥ってしまいます。

栄養状態の悪化は、他の疾患の発症に大きく関わります。そこで、栄養状態が悪化しないように、病気になった早い段階から栄養状態をよくしておく事が必要になります。特に、消費するエネルギー量に見合った量のエネルギー量を摂取することが必要になります。食べられないのに、どうやったら食べられるのか・・・これについては、次回にお話ししたいと思います。

やっぱり、病気の進行を遅らせるために禁煙することは大事ですね。

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臨床栄養学研究室II 立花詠子