管理栄養学部

なるほど豆知識管理栄養士は医療スタッフの一員です

病院では以前、栄養士は病院食を作り、医師の指示のもと栄養指導を行っているだけでした。しかし、今や管理栄養士さんは、栄養管理のエキスパートとして医師の右腕となり活躍しています。医師法では医療行為を行ってよいのは医師のみで、看護師はじめ他の医療職は医師の指示がない限り医療行為を行うことはできませんでした。しかし、現在は、医療チームで作成したクリニカルパスという工程表を用いて、それぞれの専門性を生かして、責任をもって患者さんのケアにあたっています。

そのため本学では、疾病の成り立ちはⅠ~Ⅲ、臨床栄養はⅠ~Ⅳまであり、医療に強い管理栄養士の養成に努めています。私が担当している疾病の成り立ちⅢは「実践臨床医学」という科目名で、主に患者さんの診断、検査、治療に必要な知識をわかりやすく説明しています。特に、栄養療法は管理栄養士がチーム医療の中心となるので、実践に即して詳細に説明しています。また、個人情報保護、患者サービス、保険診療・診療報酬など医療経済、インシデント・アクシデントなど医療安全・危機管理、院内感染対策、など病院職員にとって必要な基本知識についても、折に触れ、具体的なエピソードを交えながら、講義をすすめています。

管理栄養士は、栄養に関することのみ担当すればよいのではなく、患者サービス、医療の質の向上、病院経営、などを念頭に置きながら、病院全体のことを考える必要があります。今後とも、実践能力の高い臨床現場で活躍できる栄養士を育てていきたいと考えています。

臨床医学研究室I 北川元二