医療と健康
「管理栄養士さんと栄養士さん、どこが違うのですか?」という質問を時々受けます。私は、「管理栄養士さんは、栄養士さんより病気に関する知識が豊富です」と答えています。
管理栄養士さんには、栄養面だけでなく医学や臨床面の見地から、より高度な専門知識が望まれるため、管理栄養士さんは「どうして病気になるのか?」「病気になったらどういう症状が出るのか?」「どういう検査をすれば病気を発見できるのか?」「どうすれば病気が治るのか?」「どんなお薬が効くのか」などなど、病気についてかなり専門的なところまで勉強しています。特に、生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心筋梗塞、脳卒中)などの内科の病気について、管理栄養士さんは看護師さん、保健師さんと同じぐらいの内容を勉強しています。つまり、管理栄養士さんには栄養のプロであると同時に、病気の予防や治療について医療チームの一員としてプロであることが要求されています。「疾病の成り立ち」は、そのための教科です。
私が担当している「疾病の成り立ち(臓器・器官別疾患)」と「実践臨床医学」では、はじめに、人の臓器がそれぞれどんな働きをしているかを説明してから、病気になるとどうなるかを説明しています。そして、実際に病院やクリニックではどんな診断や治療をおこなっているのかを、患者さんの血液検査データ、レントゲン写真、胃カメラの写真をみせながら説明しています。
医学は日々進歩しています。医学知識は常にup dateしなくてはいけません。最近は、ネットで簡単に検索できるので、患者さんも、難しい医学書を読まなくても、病気に関する知識を豊富に得ることができます。私も最新の医学を実践するために、クリニックで定期的に患者さんを診療しながら、勉強しています。