管理栄養学部

なるほど豆知識喫茶店のモーニングサービスで、楽しい朝食を!

前回は、「誰と、どのように食べればよいのか」について、お話ししました。その中で、朝食を家族全員で楽しく食べることの大切さにふれました。今回は、「いつ、どこで食べればよいのか」について、お話しします。

みなさんは、「喫茶店のモーニングサービス」を利用したことがありますか?

朝食の時間帯(開店から午前11時30分くらいまで。喫茶店によっては1日中)に飲み物(コーヒー、紅茶、ジュースなど)を注文すると、トーストとゆで卵などが無料でつくサービスのことです。

モーニングサービスは、愛知県の一宮市が発祥とされています(諸説ありますが)。

尾張地方には、江戸時代から庶民に茶道が定着しており、人々に喫茶の習慣があったといわれています。また戦後、一宮市を中心として織物工場が増えた時、経営者たちが機織り機の騒音を逃れるために喫茶店を商談や休憩の場に利用したことから、昭和30年代から喫茶店が増加しました。喫茶店のサービス競争の一環としてモーニングサービスが始まり、この地方に定着したといわれています。

喫茶店のモーニングサービスですが、2010年に行った愛知県K市役所職員に対する調査では、約6割の方が過去1年間に利用していました。それらの方の多くが、休日に家族と利用していました。

また、男性は職場の仲間と、女性は友人と利用している人も少なくありませんでした。モーニングサービスを利用している男性は、利用していない男性と比べて職場の人間関係が良好でした。モーニングサービスを利用している女性は、利用していない女性と比べて友人との関係が良好でした。

家族との関係は、男性の場合はモーニングサービスの利用の有無にかかわらず良好な方が多く、女性の場合はモーニングサービスを定期的に利用している方に家族との関係が良好でない方が少しだけ多くいました。男性は「家庭的な雰囲気である」、女性は「コミュニケーションの場として」という理由で、モーニングサービスを利用しているようです。

月に1回程度、家族や友人、仲間と楽しく利用してみてはいかがでしょうか。

次回は、「食文化の成り立ち」について、お話ししたいと思います。

食生態学研究室 安達内美子