食べ物と健康
前回、『自分にとって健康的で適量な食事をとることが、持続可能な世界の実現の第一歩です』というお話をしました。では、自分にとって健康的で適量な食事とは、なんでしょうか?
平成26年の10月に、日本人の長寿を支える『健康な食事』のあり方について、報告がありました。その中では『健康な食事は、"健康"や"栄養バランス"、"おいしさ"、"楽しみ"といったものから、"食料生産・流通"や"食文化"まで、様々な要因から構成されている』と言われています。
つまり、肉体的な健康だけでなく、精神的にも、社会的にも、すべてが満たされた食事である必要があるわけです。栄養素のみが整った食事ではありません。何をどれだけに加え、いつ、どこで、誰と、どのように食べるのかということも大切になってきます。今回はまず、何をどれだけ食べればよいのかをお話しします。
みなさんが、「今日の朝は、何を食べましたか?」と聞かれたら、どのように答えますか。おそらく、「ごはんとみそ汁と・・・」や「トーストと目玉焼きと・・・」などと答えるでしょう。
そして、何をどれだけ食べればよいかを知りたいとき、「たんぱく質は、1日○○g食べましょう」や「豚肉は、1日△△g食べるべきです」と言われたら、実行できますか。(難しいですよね) また、「今日1日の内で、何を食べたいですか?」と聞かれた場合と、「今日の夜は、何が食べたいですか?」と聞かれた場合とでは、どちらの方が答えやすいですか。
何をどれだけ食べればよいかを考える場合、1食の料理の量とその組合せの方が分かりやすいのではないでしょうか。そこで、1食料理選択型栄養教育教材を紹介します。
自分にとって適量な1食の「ものさし」として開発された教材に、『3・1・2弁当箱法』があります。ルールは簡単で、たった5つしかありません。
【ルール1】自分に合ったサイズの弁当箱を選ぶ
【ルール2】料理はうごかないように、しっかりと詰める
【ルール3】料理の組み合わせは、主食:主菜:副菜を3:1:2の表面積比に
【ルール4】同じ調理法のおかずを重ねない
【ルール5】何よりも大切なことは、おいしそうで、きれいなこと
詳しくは、食生態学実践フォーラムのホームページをご覧ください。
5つのルールを守れば、自分にとって適量で、栄養素のバランスがよく、味・くらし・環境面からもすぐれた食事をつくることができます。
次回は、自分にとって健康的で適量な食事を、いつ、どこで、誰と、どのように食べればよいのかについて、お話ししたいと思います。