社会と健康
人は様々な出来事により、ストレスを感じます。「病は気から」ということわざがあるように、過度なストレスは実際に免疫機能を低下させるなど、ストレスの健康への影響が知られています。
ところで、特に嫌なこともなくて『自分はストレスとは無縁だ!』と思っている人はいませんか?
下の表は、アメリカのHolmesとRaheによって1967年に提唱された「ライフイベントとストレス度」を示したものです。
表からわかるように、ストレスがかかる(=得点が高い)ライフイベントには不幸な出来事だけでなく、「結婚」や「特別な業績」、「クリスマス」などのポジティブなライフイベントも含まれています。
また、同様の研究によると、過去1年間に体験した出来事の合計得点が150点に達した人の約50%が、300点に達した人の約80%が、近い将来に何らかの疾患に罹っていることが分かっています。
日常生活でのストレスを全て避けることは不可能ですので、ストレスと上手に付き合って健康を維持していくことが大切です。
【参考文献】
Homes TH, Rahe RH, The Social readjustment rating scale, J Psychosom Res, 1967.
今村裕行他,イラスト健康増進科学概論,東京教学社(東京),2008.
夏目誠,村田弘,ライフイベント法とストレス度測定,公衆衛生研究,1993.