管理栄養学部

なるほど豆知識食品取扱者からの二次汚染が原因の「ノロウイルス食中毒」

平成27年(2015年)に報告されたノロウイルス食中毒事件は481件(患者数は14,876人)で、食中毒事件の40.0%(食中毒患者数の65.5%)がノロウイルスによる食中毒でした。その発生件数は毎年第1位で1事件当たりの患者数も多く、製造所や仕出屋、学校、旅館、病院、事業場などの様々な施設で発生しています。ノロウイルスが付着した後に喫食されるまでの間に十分な加熱工程のない食品は、すべてノロウイルス食中毒の原因となる可能性があります。

ノロウイルスは小腸(空腸・回腸)上皮細胞に感染、増殖して炎症をおこし、下痢や腹痛の症状が出ます。胃の運動神経が低下しますので、吐気や嘔吐(突然)も顕著です。便は水様性下痢で、血便はほぼありません。発熱(37-38℃)もあり、筋肉痛や頭痛が伴うことがあります。嘔吐は子供や高齢者に多くみられ、下痢は成人と高齢者に多くみられます。ノロウイルスの潜伏期は12~72時間(多くは24〜48時間)で発病率は70~40%、不顕性感染者は30~50%いると言われています。

患者の糞便1g中には、約10億個のウイルス粒子が含まれています。この糞便0.1gがお風呂(1立方メートル)の水に入った場合、1mL中に約100個のウイルス粒子が含まれることになります。ノロウイルスは100個でも感染、発症することがあるので、患者の糞便やおう吐物の取扱いには注意が必要です。

手洗いやトイレの衛生管理も重要ですね。

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小塚諭編「イラスト食品の安全性」東京教学社刊 p.89より引用

環境衛生学研究室 岸本満