管理栄養学部

なるほど豆知識遺伝子とダイエット効果

遺伝子とは

遺伝子は私たちの身体機能や外見を作り出すための設計図です。細胞一つ一つの中にあり、父親と母親から1つずつ受け継いでいます。遺伝子に変異(遺伝子多型)があると、身体機能に変化を生じることがあります。

脱共役タンパク質;UCP3遺伝子

エネルギーは、細胞の中のミトコンドリアという機関で、主に糖質や脂質から作られます。このとき、ミトコンドリアの中の脱共役タンパク質(UCP3)の働きで熱が産生されます。このUCP3の遺伝情報に変異(多型)があると、熱産生能が低下します。その結果、じっとしているときのエネルギー消費量(基礎代謝)や、運動中のエネルギー消費量が低くなります。

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β3アドレナリン受容体遺伝子

痩せる(体脂肪を分解する)にはアドレナリンの働きが重要です。空腹時や運動時にはアドレナリンの分泌が亢進します。アドレナリンが脂肪細胞の表面にある受容体(β3アドレナリン受容体)に結合すると脂肪が分解されます。この受容体の遺伝情報に変異(多型)があると、脂肪分解能が低下します。一度ついた脂肪が落ちにくく、軽い運動(有酸素運動)をしても痩せにくい体質になります。

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応用栄養学研究室 藤木理代