管理栄養学部

なるほど豆知識体を守る仕組み:皮膚

皆さんの体の表面は大部分が皮膚で覆われています。表面に近い部分を表皮と呼び、扁平な細胞(ぺちゃんこな細胞)が隙間なく並び、さらに何層にも重なっています。この構造を重層扁平上皮組織とよんでいます(図参照)。この構造の多くはケラチノサイトという細胞が作っています。

環境(体外)からの刺激を多く受ける場所である皮膚は、体の内部に刺激物や病原体などを入れないための構造として大切な働きをしています。怪我などで細胞の並びが破壊されると、病原体などに感染しやすくなってしまいます。

また、紫外線が皮膚に照射されると、表皮の基底層の部位に存在するメラニン産生細胞からメラニン色素(黒い色素)が放出され、ケラチノサイトへ渡されます。このメラニン色素は細胞内にある遺伝情報(DNA)を持っている核へ紫外線が当たるのを防ごうとします。このメラニン色素が多く放出され、日焼けをした状態になります。

皮膚は基底層にある細胞(基底細胞)が分化し、常に新しいケラチノサイトが生み出されています。ケラチノサイトは体の表面へ上がっていき、顆粒層で細胞がアポトーシス(予定されていた細胞死)を起こし、最終的に剥がれ落ち、皮膚の構造を維持しています。

このように皮膚は外部からの刺激物や病原体の体内への侵入を防ぐ大切な働きをしています。

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栄養生理学研究室 日暮陽子