管理栄養学部

なるほど豆知識相談されたとき、どのように返事をしていますか?

管理栄養士が対象者の方と面談をする際、一番大切なことは、信頼関係を築くこと。そのために身に着けておくとよい態度をお伝えしています。(過去記事:「あなたはどこに座りますか?」、「あなたは聞き上手ですか?」)

今回は、相手の発言に対して、自身が応答する際の「態度」に注目してみます。

最初に、後輩から相談内容と、相談された先輩の応答を6例示します。

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後輩 「先輩~、ずっと勉強を頑張ってきたのに、ぜんぜん成績が上がらなくて。もう私には勉強は無理だと思います・・・。」

先輩

① 「そうなんだ、仕方ないね。先生に相談してみたら?」

② 「そんな弱音を吐いちゃだめよ、もっと頑張らないと!」

③ 「きっとこれまでのやり方が悪かったから、失敗してるんだよ。」

④ 「勉強のどのあたりが難しいと思うの?」

⑤ 「そうだよね、頑張っても成績があがらないと無理って思うよね。」

⑥ 「勉強を頑張ったのに成績が上がらなくて、もう無理って思ってるんだね。」

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普段の自分の態度はどれに近いでしょう?後輩の立場に立ったとき、それぞれの反応を、どのように感じるでしょうか?

応答に現れる6つの態度というものがあります。上記の先輩の返答は、それぞれ以下の態度に分類されます。

① 逃避的態度:自分は関わろうとせずに逃避する態度

② 評価的態度:相手の発言の善悪を一方的に判断して伝える態度

③ 解釈的態度:相手の発言に対し、一方的な解釈をして伝える態度

④ 調査的態度:自分から質問して、内容を問いただすような態度

⑤ 支持的態度:相手がそのような気持ちを抱いても当然であると、支持する態度

⑥ 理解的態度:相手のことをもっと理解しようとして、「~こういうことがなのね」と、もう一度問い返すような態度

【参考】改定マスター栄養教育論(建帛社)

コミュニケーションがより進展する応答としては、⑤支持的態度、⑥理解的態度が望ましいとされます。自身も周りの方に心を開いて話した時、まずは受け止めてくれると、心がホッとしますよね。

他の態度も場合によっては悪いことではありませんが、第一声の返答としては、受け止める「受容」することが大切です。信頼関係ができ、対象者の方が自身のことを話してくれたとき、一度受け止めるということがないと、「この人に話しても無駄だ・・・」、「ま、いっか」などと、信頼関係は崩れやすくなります。まずは相手の思いや状況を教えてもらう。これは、その方に合った提案をしていくためにも、とても大事です。

こちらも、栄養指導だけでなく、日頃から実践できることです。自分の「応答に現れる態度」を見直してみてはいかがでしょうか。

栄養教育学研究室 安友裕子