その他
管理栄養士が対象者の方と面談をする際、一番大切なことは、信頼関係を築くことで、前回は座る位置の解説をしてみました(過去記事「あなたはどこに座りますか?」)
今回は「聴く」ということに注目してみます。栄養教育・栄養指導において、情報を一方的に伝えるだけでは、テレビ番組などと同じです。対象者さんの背景、どのような状況であるかを、話を通じて理解した上で、お話をしていく必要があります。
ここで、「聴く」姿勢というものが重要になります。専門用語では「傾聴」と言われています。普段、友達、先生、家族と会話するときに、気にしてみてください。会話の最中に、頭や心の中で、こんなことがよぎっていないでしょうか?
“次に何をしゃべろうかな?”
“わ!その話、私も同じことがあった”
“それは○○だからだよ“ ・・・・
これは「ブロッキング」といって、相手の話を聴こうとすると、頭や心の中に、それを邪魔するものが生じてくる現象です。このブロッキングがあるままでは、相手の話を、しっかり聴けていないのです。もちろん、雑談のときは良いのですが、管理栄養士の立場で対象者さんのお話を聴いているときに、「好奇心」、「関心事」、「思い込み」、「追体験」など自分のことをよぎらせていては、大切なお話が頭に入ってこないのです。そして、それは表情や仕草、次の言葉がけなどによって、相手にも伝わってしまいます。「ちゃんと聴いてくれてないな」と感じさせてしまっては、信頼関係が築けません。
それでは、この自然に生じてしまうブロッキングをどうしたらよいでしょうか?それは、ブロッキングしていることに「気づくこと」です。気づいて、脇に置いて、話に集中する。それを癖付けていくと、自然と身についていきます。
これは管理栄養士だけでなく、コミュニケーションにおいて大切なこと。お友達の相談事のときなどに、実践して、ぜひ聞き上手になってください。