食べ物と健康
様々な健康食品がちまたにあふれていますが、私たちはこれらの健康食品を何のために利用しているのでしょうか。
病気が治ると思って利用していたとしたら、それは大きな間違いです。
健康食品は薬とは違い、食品です。
薬は、用法や用量を守って服用すれば、効果のあるものです。時には、副作用も覚悟の上で、病気を治すために利用します。したがって薬の場合、その有効性や安全性は大変な労力をかけて確認されています。
一方、食品は好きなように食べて、私たちの栄養になる存在です。(もちろん、食べ過ぎはダメですが)
そこで問題となるのが、いわゆる「健康食品」です。健康食品の中には、まるで薬のように抽出・濃縮されて、薬のように利用されているものがあるのに、それらの有効性や安全性は確認されているわけではないのです。
そして、「食品だからたくさんとっても大丈夫だろう」「たくさんとった方が効くだろう」という考えで大量にとると、問題はいっそう大きくなります。これはとても危険なことで、ダイエットを標榜する食品で死亡者が出た事件もあるくらいです。そもそも「食べると病気が治る」という表示は薬事法違反ですから、存在そのものが怪しいことになります。
くれぐれも、健康食品を薬のように利用しないようにしたいものです。
須崎尚
管理栄養学部