さまざまな福祉施設の実情や特徴を踏まえた栄養ケアプロセスを行っています。
対象となる乳幼児、高齢者、障がい者は、食に関する特別な配慮が必要なことが少なくありません。そのため福祉施設で活躍する本学の卒業生は、献立を工夫し、それぞれの施設の基準に合わせた栄養管理と給食管理を基に、細やかな食のサポートを実施しています。
管理栄養士として、
子どもたちの成長に立ち会える奇跡。
社会福祉法人 ねむの木 キッズツリーハウス認定こども園
濱名 衿菜さん(2016年卒業)
管理栄養士の知識をフル活用して仕事に従事。
委託給食会社での勤務を経て、今の職場「認定こども園」に転職しました。理由は、直接、子どもたちとコミュニケーションできる職場で働きたかったから。業務としては、献立作成から調理、提供まで、一貫して行えることが魅力です。また、0歳児クラスで離乳食を提供したり、アレルギー対応の食事を提供したり、ひと言で食事提供と言っても、その内容は多岐にわたっていて、管理栄養士としての総合力を試される職場だと思います。
子どもたちの成長のために、力を注ぎたい。
当園は「食育」※に力を入れており、食事提供のほかに、子どもたちとともに園庭で育てた野菜を収穫して調理したり、味噌づくりをおこなったり、さまざまな活動に関わっています。職員教育や保護者様への説明をする機会もあり、調理技術以外にも多角的な力が必要です。大変なこともありますが、すべての活動の先に、子どもたちの成長が待っていると思うと、頑張れます。苦手なものを一生懸命食べていたり、「おいしかったよ!」と声をかけてくれたり、子どもたちは本当に素直。彼らの成長を支えているという実感が、私の仕事のやりがいです。
※「食育」とは: さまざまな経験を通じて、「食」に関する知識と、バランスの良い「食」を選択する力を身につけ、健全な食生活を実践できる力を育むこと。
管理栄養士として、
介護の世界で健康をサポート。
社会福祉法人 なごや福祉施設協会 特別養護老人ホーム なごやかハウス神宮寺
山内 真以さん(2007年卒業)
勉強だけにとどまらず、何事にもチャレンジ。
大学では多様な経験を積むことができました。勉強はもちろん、名古屋外国語大学のサークル活動に参加して留学生と関わったり、教職課程を履修して教育現場で実習をしたり。食育ボランティアにも、食に関するインターンシップにも挑戦しました。さらに、居合道部では、かけがえのない仲間と出会うことができました。将来の明確な目標が見つからず、少し焦りを感じる時もありましたが、何事にも全力で取り組むことで、ゆっくりと自分の道を模索できたように感じます。
暮らし全体を見つめながら、食で健康を支える。
給食会社で働いていく中で、もっと人と直接かかわりたいという気持ちが募り、介護の世界へ。現在は特別養護老人ホームで管理栄養士として働いています。一人ひとりの体格や病歴、普段の生活状況などを踏まえて献立を考え、評価。どのように提供したら利用者さんのためになるか、多角的な視点から検討して食事を提供しています。利用者さんの笑顔や「おいしかった」という言葉が、何よりの活力です。これからも、生活全体を見守りながら、利用者さんの健康に介入していきたいです。