
活動の報告Activity Report
学生の活動
2025年度 アメリカ海外研修⑧
食の未来と地球環境を考える:ロバート・モンダヴィ研究所の挑戦
わたしたちは、ロバート・モンダヴィの研究所を見学させていただきました。
ロバート・モンダヴィとは、カルフォルニアワインを世界的に認知できるようにした第一人者です。
研究所では、調理室→ワイナリー→ビールの研究所→ミルクの研究所→缶詰の研究所の順に見学させていただきました。
調理室では、食品工学や、栄養学、臨床栄養、フードサイエンスの人が学んでいました。食品工学では化学の観点から、栄養学では食品の無駄を減らしたりおいしさを追求したり食品の予算の観点から、臨床栄養では病院施設など規模が拡大したときにどう生かすか、フードサイエンスでは、化学反応の観点から学びます。アメリカでは、すぐに使える知識がほしい人が多いので、原料の差が消費者に分からないようにする技術など、実用的な分野を教えていました。
デービスのワイナリーは、世界で最初に省エネルギーで建設されました。太陽光発電、井戸水、雨水を自給自足を心がけているそうです。また、U.S. Green Building Councilが認定するLEED PLATINUMのプレートが貼ってありました。LEEDとは、建物や都市の環境性能を評価する国際的な認証制度を指しており、PLATINUMとは、最高ランクで省エネルギー・水の効率使用、資源の持続可能性・屋内環境の質などで非常に高い基準を満たした建物だけが取得できるものでした。
ワイナリーのワインタンクはワインの成分が遠隔で確認できる仕組みになっていました。糖含量や、酸味、温度、蒸発量などについて変化があると連絡が届きます。このタンクひとつで混ぜる、あたためる、冷やすなど全ての工程ができるようになっていました。
つぎにビールの研究室の見学をしました。アメリカでは世界の半分のトマトを栽培していて、収穫するときの空気が太陽のUVを遮断するそうです。これが、ビールを醸造するときの酸化を防ぐ仕組みでした。従って、ビール瓶やワインの瓶を黒くすることでUVカットし、内容物の酸化を防いでいます。
ミルクの研究所では、エンジニアがミルクの安定化や分離を担当し、科学者が体に役に立つ成分がなにか判定し、微生物学者が子供の成長に役立つ成分を見つけていました。
最後にももとトマトの缶詰の研究室を見学しました。滅菌・殺菌を行う機械では、熱を使わず水の中で圧力をかけることで、6000気圧0.5秒でバクテリアや大腸菌を滅菌することができました。熱を使わない理由は味が変わってしまうことでした。圧力で滅菌することで、オレンジジュースで例えると、搾りたてのようなフレッシュさを再現することができるそうです。